AIと共に「考える」エンジニアに!

 ― ChatGPT時代に問われる「問いの力」と文章力 ―



はじめに

ChatGPTをはじめとする生成AIが普及しはじめてから、もう2年近くが経ちました。  
リリース当初は「すごい技術だな」と遠目から眺めている空気でしたが、今では多くの人がAIに触れる機会を持つようになりました。   

我々ITエンジニアとして、アプローチはどうすべきか?何が必要か?について考えてみます。

AI利用の現状

まだAIを使い始めたばかりだったり、上手く使えてない人は、「このエラーを解決して」「この機能を実装して」と指示を出すだけになっているようです。  
あるいは、「〇〇とは?」を丸ごとAIに聞いて解説してもらうケースも見られます。 便利ですが、それだとGoogle検索と同じレベルに留まっていると感じます。


AIの本当の価値

私は、AIは単なるコード生成ツールでも、Googleの上位互換でもないと考えています。  
むしろ、使い方を間違えると取り残されていく可能性があります。 
AIが本当に得意なのは、与えた問いに沿って思考の幅を広げ、情報を整理することです。  
つまり、AIを活かすには、問いを設計する力が不可欠なのです。

問いを設計する力はAI以前からのビジネススキル


実は、問いを設計する力は、AIが登場する以前から、私たちエンジニアが日常的に使ってきたスキルです。  
例えば、プロジェクトの課題を整理したり、仕様の確認事項を明確化したり、メールでの問い合わせの内容を意図通りに伝えたりなど... いずれも、相手や状況に応じて適切に問いを設計する力がベースになっていました。  

AIは文章やアイデアを生成してくれますが、何を考えるべきかは教えてくれません。だからこそ、この問いを設計する力がAI時代でも重要になるのです。


コンテキストエンジニアリング


さらに最近は、単なるプロンプトの工夫(プロンプトエンジニアリング)だけでなく、文脈や前提を整理して問いを設計する「コンテキストエンジニアリング」が注目されています。  
コンテキストエンジニアリングとは、単に「良いプロンプトを書く」だけでなく、背景情報や制約条件、期待する出力の形式まで含めて問いを設計する手法です。  

つまり、AI活用は単なる操作技術ではなく、文章力や思考力、背景理解を伴った問いの設計力そのものなのです。

AIの誤用が招く思考の画一化


米MITの論文(2024年, Nature Human Behaviour)でも生成AIは作業効率を押し上げる半面、安易な利用でライティングスキルや思考スキルが低下する可能性が指摘されました。  
例えば、一度AIの提案を基準に議論を進め始めると、モデルやプロンプトを変えても構造が似た答えに人間側の判断が引き寄せられ、議論が画一化してしまいます。
  
だからこそ、AIが提示した枠組みをそのまま前提化せず、目的や条件を自分で組み替えられる問いの設計力が重要になります。  

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私は、この力を備えた人こそ、AI時代でも成果を出せるのではないかと考えています。  
問いの前提や目的、求めるアウトプットを自分で再定義できる人は、AIに依存しすぎずに複数の視点を引き出すことが出来ます。
  
では、その力をどう磨いていくか?日々のAI活用で試せる実践ステップを、一緒に3つの流れとして確認してみましょう。

AIと「共に考える」3ステップ


1. 情報整理: 紙でもメモでもOK。狙いや仮説、前提条件を書き出す  
2. 視野拡張: 具体的な狙いを添えて、視野を広げる質問を行う  
3. 結果検証: 出力を鵜呑みにせず、足りない視点を再度AIに問い直す  

このサイクルを回すことで、単なるコード作成や検索では得られない多角的な知見や論理力および文章力が自然に鍛えられます。   
仕様書や設計書の作成、技術調査など、エンジニアの日常業務でもAI活用=文章力向上にもなる、と考えると使い方の幅がぐっと広がります。

さいごに


AIの価値を引き出すのは、問いを設計し、文章力で意図を伝え、AIと共に考える力です。
日々の業務で小さな問いからでもこのサイクルを試し、得られた視点を共有していくことで、AIとの協働は確かな強みになります。  
AIに人生相談しても最後に決めるのは自分  
来年(2026年)は、AIと並走して考えられる自分を育てる一年にしていきましょう。



追記:

このブログ記事は2025年11月初旬の情報で書いています。
内容は汎用的ですが、それでも書いてるそばから鮮度を失っている感覚があるので、その点についてご了承ください。










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